2022年 4月 12日
「新潟県奨学金ネットワーク」の設立趣意書」
社会問題化している奨学金問題の根底には、以下のような事実が存在しており、単に「返済が滞っている利用者」だけの問題ではなく、社会全体の問題として認識する必要があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、日本社会のあり様が劇的に変化しています。
- 新型コロナウイルス感染症の影響により、学生のアルバイト等就労の機会が奪われ、生活費の捻出が困難となり大学等を自ら退学せざるを得ない異常な社会状況となっている。
- この20年間、勤労者世帯年収(中央値)は低下し続け、仕送り額も減少している。
- 国立大学を含め、学費が大幅に値上げされてきている。
- その結果、奨学金の利用なしでは進学できない状態が生まれている(利用率50%超)。
- 大学卒業後、多額の奨学金を抱えながら返済を続け、結婚にも踏み切れず、未婚化が進展して少子化問題にもつながっている。
学びたい方が自由に学ぶ(公助の拡大)ことのできる、あたり前の社会構築が今ほど求められている時代はありません。
これらの状況を少しでも改善させ、若者が未来に希望の持てる社会づくりをめざしていくため、「新潟県奨学金ネットワーク」を設立し、広く県民にアピールしていくなど共感の持てる活動を展開していくこととします。
- 目的
- 奨学金問題の本質や現状を学び、若者たちの置かれている状況を把握して、この問題の認知度を高め、共感の輪を広げる。
- 地域社会を維持発展させるためには、奨学金問題への理解と支援が必要であることを広く社会にアピールする。
- 奨学金支給団体等のゆるやかな関係作りを行い、より良い制度とするための意見交換を行うとともに、新たな仕組みづくりに向けた調査・研究を行う。
- 活動
- 主たる活動対象を、①これから制度を活用する高校生や保護者等、②制度利用中でしくみ等の周知対象である大学生等、③返納を開始した終了社会人、④奨学金制度の実状を知ってもらいたい勤労者とする。
- ネットワーク加入団体を広く募集し、年1回程度の意見交換を行うとともに、地域社会に向けてアピールする集会や講演会を開催する。
- 現状を理解してもらうため年1回程度、会報誌を発行する。
- 県ライフサポートセンターでの相談活動や新潟県労働者福祉協議会のホームページなどで、奨学金返済等に悩む利用者や家族からの相談を受け付け、弁護士等と連携して解決に向けた対応を行う。
- 会の名称および事務局の設置場所
- 会の名称
「新潟県奨学金ネットワーク」 - 事務局
新潟県労働者福祉協議会に置く
- 会の名称
以上